学科長メッセージ

 東京都立大学理学部のオープンクラス「高校生のための数学-夏の学校」は、その前身である東京都立大学理学部数学科および首都大学東京理工学系数理科学コースの伝統を脈々と引き継ぐもので、今年で28回目を迎えます。

 数学は、人類の歴史と同じくらい長い歴史と伝統を持つ学問で、人類の最も高度な知的営みの一つとして独自の発展を遂げてきました。そうして作られてきた理論の数々は、自然科学や工学の土台としての役割も果たしており、近年では、コンピュータサイエンスや遺伝子工学をはじめ、様々な異なる領域との交流も急速に進んでいます。数学の研究は現在も活発に行われ、日々進歩を続けています。その結果として、長い間未解決だった「フェルマー予想」や「ポアンカレ予想」のような難問が解決する一方で、「リーマン予想」のようにいまだに解決を見ない難問も数多く残されています。

 さて、みなさんは小学校の算数から始めて、中学校、高等学校と数学を学んできましたが、その先にどのような数学があるかイメージできるでしょうか?ただ難しく、複雑になるだけだと思っていたら、それは正しいとらえ方ではありません。どんな高度な数学の理論でも、もとになる考え方は自然で単純なものです。結局は、人間が考え出したものなのですから。

 この「高校生のための数学―夏の学校」では、数理科学科の教員3名が、大学で学ぶ数理科学(数学・応用数理)に関する興味深い話題について、分かりやすく明快に講義します。一連の講義が、数理科学がどのような学問であるか、多少なりとも知る手がかりとなることを願ってやみません。第一線で活躍する数学者たちの生の講義を通して、高校数学の先にある、大きな可能性を秘めた未知の世界を、少しばかりのぞいてみませんか?

プログラム

 
高校生のための数学-夏の学校 2023(終了)
8月5日(土)
東京都立大学 南大沢キャンパス12号館1階101室
※12号館(理系教室棟)へのアクセスはこちらを参照して下さい。
10:00
10:15
受 付
10:15
10:25
学科長挨拶
10:30 下條昌彦 准教授
タイトル :等周問題と最速降下問題
概要:最大および最小の考察は、物理学・経済学・統計学・情報理論の様々な法則を記述する際に欠かすことができません。この講義では、条件付き最大・最小問題の解き方を解説します。また、最大・最小問題に関連する歴史的に有名な問題として、「等周問題」と「最速降下問題」について紹介します。
12:00
昼休み 昼食は各自で準備して下さい。※売店・食堂等は休業の場合があります。
13:00 上原北斗 教授
タイトル :円錐曲線のダンドラン球
概要:楕円、放物線、双曲線などの2次曲線は円錐面を平面で切断して得られるので、しばしば円錐曲線と呼ばれます。この円錐面と平面の両方に接する球がダンドラン球です。この講義では円錐曲線の焦点や準線といった概念を説明し、ダンドラン球を用いると円錐曲線の焦点や準線を決定できることを説明します。
14:30
14:40 久本智之 准教授
タイトル :データ圧縮の数理
概要:"the"や"of"といった、頻繁に使う英単語ほど文字数が少ないことに気付いているでしょうか?この講義では、頻繁に使う単語をどのくらい短くすればよいのかを数学的に考えていきたいと思います。
16:10
16:15
16:30
修了式

応募要領

対象は原則として高校生(学年不問)、参加費は無料です。参加を希望される方は、

① 氏名(ふりがな)
② 学校名・学年
③ 自宅住所・
   電話番号(緊急連絡用)
④ 電子メールアドレス

を明記し、⑤ 件名を「夏の学校申込」として、下記までメールを送信して下さい。

「夏の学校」担当: jojo

①~⑤に不備がある場合、受付できない場合があります。あらかじめご了承下さい。
①~⑤が確認できしだい、「受講許可証」を③へ郵送します。当日持参して下さい。
※いただいた情報は、本イベントでの発送・連絡・確認業務にのみ使用いたします。

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