-化学への招待- 東京都立大学1日体験化学教室2024 実験テーマ
全5課題を開講します。
A 水蒸気と雲の化学熱力学 (環境地球化学研究室)
大気中の水蒸気は日々の気象現象において重要な役割を担っています。この実験では、化学の基礎である熱力学の法則を使って、大気中の水蒸気量を測る方法と、大気中で雲が発生する条件について学びます。
B 分子生物学実験の基礎: プラスミドDNAの精製と切断、分離を学ぼう (生物化学研究室)
プラスミドは細菌の生育に必須でない染色体外DNAであり、宿主の染色体とは独立に自律複製される。遺伝子組換え実験においては外来遺伝子の担体(運搬体、ベクター)として利用され、なくてはならない実験材料となっている。今回の一日体験化学教室では大腸菌からプラスミドを精製する実験、及び精製したプラスミドを制限酵素と呼ばれるDNA消化酵素で切断し、その切断をアガロースゲルを用いた電気泳動で確かめる実験を行う。
C 合成色素を作ってみよう!!アゾ色素・オレンジ-IIの合成 (同位体化学研究室)
私たちの目は、色素が光を吸収する現象を見て、これを色として感じています。色素は、私たちの生活に彩りを与えるため、2000年以上も前から使われてきました。この実験では合成色素の一つであり、羊毛、絹、ナイロン等の染色に用いられるアゾ色素・オレンジ-IIを合成します。
D 茶葉からのカフェインの抽出と精製 (有機合成化学研究室)
カフェインは1820年にコーヒー豆から初めて抽出され、中枢興奮剤・強心剤として用いられます。 茶葉には1~5%含まれています。この実験ではカフェインを茶葉から熱水で抽出します。 その後、昇華という精製過程を経てカフェインを得ます。E 「原子・分子を飛ばして重さを”測って”みよう (反応物理化学研究室)
原子や分子は極めて軽いことが知られていますが、それではどのようにその重さを測れば良いのでしょうか?
素朴なアイデアとして、重い粒子ほど走るのが遅いことを利用して、原子・分子に”追いかけっこ”をさせる方法が考えられます。
この実験では、空気中に含まれる窒素分子と酸素分子に実際に追いかけっこをさせて、その重さを測ることを目指します。