元素分析室

 元素分析室では、有機化合物成分主体の化学物質に含まれるC、H、NとS、Oの5つの元素を測定しています。有機化合物は主としてC、H、Nを構成元素としているものが多く、これらの構成元素の測定結果と残りの重量配分より、化学物質中の元素組成比を知ることが出来ます。元素組成比と分子量より、化合物の組成式も推定できます。主要な学術論文への投稿では、特定・新規な化合物に関してC、H、Nの元素分析値の記述が要求されます。化合物の元素分析を学内で処理できることの利点は、不安定な化合物、例えば、反応の中間生成物に関しても迅速に組成を知ることが出来るので、有機物や錯体の合成を行う上で、大変有利なのです。本学の装置は64試料分のオートサンプラーを備えているために、一度に多数の試料の分析が出来ます。元素分析はC、H、N、S、Oの他にハロゲン、その他の金属・非金属成分の分析が必要であり、元素分析室の更なる充実が今後の課題でもあります。